引き算か、足し算か②

 私たちは小さいときから引き算で評価されることが多かったために、どうしても引き算の考えが染みついています。例えばテストで87点を取っても、あと13点取れば100点だったのにと、どうしても引き算をしてしまいます。

 ところで私は数年前健康診断でメタボリック症候群と判定されました。それまでも太っているとは気が付いていたのですが、具体的な数字を突き付けられると、食事に運動にと真剣に取り組むようになりました。

 私たちは自分で立てた予測(私の経験のように、メタボであるはずがない)と矛盾する情報を受け取らないようにブロックする習性をもっています(認知的不協和論)。ですから引き算が刷り込まれていると、気づかないうちに予測(できていない)と矛盾する「できたこと」をブロックして、なにもできていないとがっかりしてしまいます。そこでどんなことでも「できたこと」を書き留める「できたことノート」を作ることをお勧めします。どんな些細なことでも書留め文字として眺めると、私たちは納得するようになります。数字で突き付けられるとメタボを認めざるを得なかった私のように、大事なのは文字や数字として目に見えるようにするということです。

 ただ引き算が染みついている私たちですので、最初は誰かに「これってできたことにしていい?」と確認できる機会があると、きっと「こんなことでもできたことにしていいんだ!」と驚く体験になると思います。

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